経皮的大動脈弁留置術の適応と問題点

摘要

大動脈弁狭窄症に対する治療法は大動脈弁置換術が標準的治療法であるが，高齢，ハイリスクの症例には実施がためらわれることがある.最近このような症例に対して，カテーテルを用いて大動脈弁位に人工弁を留置する手法(TAVI)が欧米を中心に広く行われつつあり，わが国でも治験中である.現在多く用いられているのは，Edwards SAPIEN valveとMedtronic CoreValveの2種類である.本手技の適応は.症候性高度石灰化大動脈弁狭窄症で通常の開心術がハイリスクと考えられる症例であり，大腿動脈からのァフローチが困難な例では心尖部からのアプローチが行われる.問題点としては，頻度は多くないものの冠動脈閉塞，脳梗塞，房室ブロック，血管系合併症などの合併症が起こりうることである.