はじめに

摘要

超高齢化社会を迎えるにあたり，生活の質（quality of life ： QOL）は重要な課題である. とくに排尿障害はQOLのなかでももつとも重要な課題のひとつと考えられる.排尿障害は，広い意味では下部尿路障害といい，蓄尿障害と（狭義の）排尿障害に分けられる.これらの障害によってもたらされる症状を下部尿路症状といい，蓄尿症状，排尿症状（さらに排尿後症状）に分けられる.しかし，かならずしも蓄尿症状が蓄尿障害，排尿症状が排尿障害を反映するとは限らず，また両方の障害や症状をもつ患者も少なくない.