AIMによる内臓脂肪の慢性炎症誘起メカニズム

摘要

近年，メタポリックシンドロームの根源となる肥満によるィンスリン抵抗性惹起は，脂肪組織における持続性慢性炎症が原因であると考えられている.実際に，肥満の進行に伴い脂肪組織はその組織像を大きく変えることが報告されており，そのもっとも特徴的な点は，脂肪細胞の肥大化とその数の増加がみられると同時に多数のマクロファージが浸潤，そしてそのほとんどが炎症性サイトカインを産生する炎症性マクロファージ(Mlマクロファージ）であることである.しかし，これまで肥満になるとなぜ脂肪組織に炎症が起こるのカゝ，という問いに対しては明確な答えは示されていなかった. ここでは両者に介在する鍵となる分子，AIMについて概説する.