ヒ卜受精胚の作成を行う生殖補助医療研究に関する倫理指針

摘要

生殖補助医療の向上に資する研究のうち，ヒト受精胚の作成を行うものに適用される「ヒト受精胚の作成を行う生殖補助医療研究に関する倫理指針」（以下「ヒト胚研究倫理指針」という；が平成22年(2010)12月17日に文部科学大臣および厚生労働大臣の両大臣名で告示された，本指針は第三者から提供された配偶子(精子.卵子）を用いてヒト受精胚を作成し5それを利用しての生殖補助医療研究を一定の要件のもとに容認する考え方を前提としている.研究目的でのヒトの受精胚の作成を法律等により禁止をしていない国は， 知るかぎりではァメリカ,イギリス，ベルギーのみであり，研究目的でヒト受精胚の作成を容認する考えは先進国では少数ではないかと思われる， 生殖補助医療研究目的でのヒト受精胚の作成を容認するヒト胚研究倫理指針を策定するに至った経緯と内容について紹介する.