レーザー虹彩切開術と角膜障害

摘要

近年，角膜移植の原因疾患としてレーザー虹彩切開術(LI)後の水疱性角膜症(BK)の割合が多いことが判明し，LIの合併症としてのBKが問題となっている.LI後のBK発症には総照射エネルギ一量が影響を及ぼしていることは明らかであるが，その発症メ力二ズムとして血液房水柵破綻説，房水ジェッ卜噴流説，角膜内皮創傷治癒説，マクロファージ説など諸説が提起されている.しかし，現在のところ単一仮説で病態のすべてを説明することができず，複数のメカニズムが関与しているであろうとする複合要因靓が主流となっている.すなわち，現時点では発症メカ二スムが解明されていないことから，原発閉塞隅角症/緑内障に対するレーザ一治療の際には十分な注意が必要であると考えられる.