はじめに

摘要

自己炎症（autoinflammatory)という概念は，1999年にKastner, O'Shea, McDermottらにより提唱された.彼らは，研究対象疾患であつたTNF receptor-associated periodic syndrome (TRAPS) を 基に， 自己免疫疾患，アレルギー疾患，免疫不全症による感染などの従来の免疫疾患の範疇に納めることができない疾患群に対して，autoinflammatory disease (自己炎症性疾患），autoinflammatorysyndrome(自己炎症症候群）という疾患概念を提唱した. 自己炎症性疾患とは，全身性炎症を持続あるいは繰り返す疾患で，多くは発熱を認め，皮膚o関節o眼などの部位の炎症を伴う.その原因として，多くは自然免疫系の機能異常により発症する.自己抗体や自己反応性T細胞は検出されないため，獲得免疫系の異常に起因する自己免疫疾患と対比される.