アトビー性皮膚炎への心身医学的対応

摘要

アトピー性皮膚炎を診療していると，不安になっている患者や落ち込んでいる患者をしばしばみかける．また，同じ治療を継続していてもアトピー性皮膚炎の症状が受診のたびに変化していることがある．季節変動や単なる慢性疾患としての多少の変動を考えても，それだけでは説明がつかない症例をよくみかける．このような症例のなかにストレスの関与が強いものが含まれている．アトピー性皮膚炎がストレスの関与のある疾患であることは近年皮膚科医に認識されつつある．しかもその頻度は，著者らの調査で皮膚科医の95％以上が経験している．