現状、ポンプインベラ、タービン羽根等の回転体の異常は、回転体の軸受の振動、軸受潤滑油の性状分析等の2次的なパラメータにより監視されている。一方、浜岡5号機の主タービン等で発生した低圧タービン羽根の損傷事象では、軸受の振動の監視だけではタービン羽根の異常兆候の検知が困難であったことから、タービン羽根が損傷に至る前に異常を検知できる技術の確立が求められている。そこで、非破壊検査技術として実用化されているECT(Eddy Current Test)の技術を応用して、回転機器の内部回転体の状態を、外側から電磁的に診断する技術の検討が進められてきている。本技術が実用化できれば、既存設備の大幅な改造無しに内部回転体の状態監視精度を向上させることが期待できる。そのため、本報告では、ポンプ等の回転体およびタービンへの適用に関する研究の概要を紹介する。
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