トモグラフィ手法による確率密度関数の分解推定を用いた株価収益率の要因分析

摘要

本報告ではトモグラフィ手法による確率密度関数の分解推定を用いた時系列への影響要因分析，株価の収益率分析へと応用する．ネットワーク内部におけるパケットの遅延分布を推定するトモグラフィ手法を援用して，複数の時系列を生成するPDFに共通する要因（PDF）を推定する方法を述べる．この場合，木構造を用いて要因（PDF）間の関係を表現するが，構造が不明であることを仮定し，遺伝的プログラミングによる推定を適用する．また支配要因に対応する中間ノードの特性として正規分布を仮定する．応用例として，人工的に生成した株価と実際に観測される日本の証券市場における株価形成の要因分析を示す．