マルチスライスCT画像における大腸抽出

摘要

近年，内視鏡検査より患者への負担の少ないCT Colonographyが，術前検査の手段などに利用されるようになってきた．しかし，一患者あたり500枚程度という多量のCT画像が生成されるため，医師の負担が増加し，誤診にもつながっている．そこで、大腸癌のコンピューター支援診断（computer-aided diagnosis）の開発が期待されている．CADはCT colonographyによって得られた画像を解析し，医師の診断に有益な情報を提供できる．本研究では，解剖学的に有益な情報を医師に提供することを目的とし，CT画像のセットから自動的に大腸の抽出を行い，さらに診断に重要であると思われる上行結腸，横行結腸，下行結腸，S状結腸，直腸に分類するアルゴリズムを提案する．