救急医療腹部CT画像における造影効果を利用した肝臓内活動性出血の自動検出

摘要

救急医療の現場においては，日常の診療とは異なり各分野の専門医などがいない状態で即座に診断し治療を行う場合があるため，医師の診断の補助を目的としたコンピュータ支援診断システムの開発に期待がかかっている．本研究では，救急医療の画像診断で重要とされる肝臓の出血部分を自動で検出する．造影剤によって強調された肝臓を含む腹部のヒストグラム上の頂点から半値幅値を使うことで、正常な肝臓領域とCT値，その後虚血肝臓領域を決定する．決定された領域とCT値を用いて肝臓内活動性出血の候補を検出し，平均CT値や面積などを基にした特徴量分析により偽陽性を削除する．22個の活動性出血を含む30症例に実験した結果，肝臓内の活動性出血の検出率95％（21個／22個），誤検出数2.5個／症例であった．