車車間通信における隠れ端末問題による特性劣化要因の解析と改善方法の検討

摘要

車車間通信においてアクセス制御方式として検討されているCSMA方式では，隠れ端末問題により通信品質が劣化してしまうことが知られている．しかし，それが実際にどの程度発生しているかは未だに解析されていない．そこで本論文では，隠れ端末問題によるパケットの衝突がどれだけ発生しているのかをパケット破棄率により解析するとともに，この問題がスペクトル拡散通信方式(SS)によってどの程度改善されるかについて，計算機シミュレーションにより検討を行った．その結果，隠れ端末問題による衝突の方が，キャリアセンスの失敗による衝突よりも多く発生し，SSによって最大約1/3までパケット破棄率を改善できることがわかった．