超高齢化社会における交通事故危険度について－都道府県における危険度の格差に関する考察

摘要

2009年の日本における交通事故死者数は4914人であり、人口10万人当たりで5人を割り込み、日本は英国を抜いて世界一安全な国になっている。欧州では所謂、ゼロ·ビジョンを打ち出し、道路交通事故を根絶するという目標を掲げる国がある。本稿は、超高齢化社会を迎えた都道府県における交通事故危険度格差を提示して、人·車·道路で構成される超複雑システムである道路交通システムおいて対策策定に有効な指標と考えられる10万人当り重傷者数の都道府県格差を示し、交通事故死者数半減（2500人／年）の実現に貢献することを期する。