ユーザ満足度の高い映像通信サービスの提供には，ユーザが体感する品質（QoE：Quality of Experience）に基づいたサービスの設計·管理が重要である．そのため，QOEを定量化する手法が必要であり，映像サービスに対する多くのQoE評価法が検討されている．しかし，ユーザが映像通信サービスを利用する際には，目的意識を持って視聴し，その達成度やユーザ選好がユーザ満足度に影響するため，従来の映像品質劣化のみを対象とした．QoE 評価では，ユーザ満足度を十分に捉えることはできない．本稿では，ユーザ満足度を総合QoEと定義し，モバイル映像サービスを対象として，映像品質，利用目的，利用目的達成度，ユーザ選好を考慮した総合QoE評価法を提案する．また，提案手法を用いた実験により，ユーザ毎に重視する観点が異なることを明らかにする．
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