ETCゲート天井部に設置された電波吸収体の測定法に関する一検討

摘要

本稿では，ETCゲート天井部に設置された電波吸収体の特性を地上から評価するために，金属プレートレンズアンテナを用いた測定法を提案している．まず，本レンズを幾何光学に基づいて設計したところ，焦点距離は129cmと決定し，レンズをホーンアンテナの前面に配置することでアンテナ単体の利得18dBiから26dBi，半値ビーム幅22°から7°と指向性が改善できた．次に，アンテナ全体の小型化を図るため，レンズの配置位置に対するアンテナ特性の評価を行った．結果から，焦点距離から49cmはどアンテナへ近づけでも半値ビーム幅の変化が±1°と小さいことを確認した．また，提案するアンテナと大型ホーンアンテナを用いて電波吸収体の吸収量を測定した結果，その値の差異は±1.7dBと小さいことを確認した．さらに，開口と吸収体間距離の変化に対しても測定された吸収量の差異は小さく，本アンテナを用いた吸収量の測定法はETC天井部に設置された吸収体特性の測定に有効であることを示した．