ダイナミックシミュレーションはおもしろい-(第5回)反応器

摘要

本連載も今回で5回目となる。 第4回までに、タンク、蒸留塔、サーモサイフォンリボイラについてのダイナミックシミュレーションの原理を、最新のソフトを例に紹介した。 ところで、化学プラントの多くは、原料を化学反応でより付加価値の高い成分に変化させ、分離·精製して製品を得ることで生産者に利益をもたらしている。 この、原料を目的成分に変化させるための工程、つまり反応工程で目的成分の選択率が高ければ、精製に必要なェネルギーや副生品の副生量が低く抑えられ、逆に低ければ、コスト的に不利なプロセスとなる。 また、運転面からみても反応器が安定に運転されていれば、下流の精製部の運転も安定させることが容易となる。 今回は、反応器のダイナミックについて考えてみたい。