モータ·コントロール実験室～ベクトル制御編 第5回 制御方法の基礎知識③静かに効率良く回すなら「正弦波駆動」

摘要

ブラシレス·モータを正弦波駆動する場合，モータ·コイルに発生する誘起電圧に対してドライバから流すコイル電流の位相が同相になるように制御すれば，電力効率とトルク効率は最大になります．今回は，誘起電圧に対してコイル電流の位相が0°，-30°，-180°のときをシミュレーションして，①誘起電圧，②コイル電流，③ドライバの出力電圧，④各相の瞬時電力（瞬時トルク），⑤3相の合計電力（合計トルク）の波形を観測します．それらの波形から，誘起電圧とコイル電流が同相のときに出力電力が最大になることを再確認し，さらに，広く使われている120°矩形波駆動と比較して正弦波駆動のほうが電力効率が良く，回転品質が高いことを示します．