ポート間に不要な結合がある治具を用いる場合の多ポートのSパラメータ推定

摘要

不要な結合のある2nポート治具に接続されたnポートのSパラメータを，残りのれポート間のSパラメータの測定値から推定する方法として，治具のTパラメータを用いる方法が述べられている．本方法では，まず治具の規格化されたTパラメータを求め，これと治具を含めたSパラメータの測定値から治具に接続されたれポートのSパラメータを推定する．最初に推定式の導出が示され，次に，治具のTパラメータを求めるための既知の負荷を検討している．本方法の特長は，線形連立方程式を解くだけでSパラメータが推定できるところにある．本方法は，ICパッケージ内やTEMセル内の回路など，測定器が直接接続困難なポートを持つ場合のSパラメータを求めるのに応用できる．