バイログアンテナを用いた3m距離での放射妨害波測定法一放射源が半波長ダイポールの場合

摘要

バイログアンテナは30MHzから1GHzまでを1本のアンテナで測定ができるため，10m距離の妨害波測定では広く使用されている．しかし，3m距離になると，バイログアンテナの各エレメントと放射源との距離が測定誤差の原因となる．そこで，放射源が半波長ダイポールアンテナの場合について，ダイポールアンテナと同じレベルが受信できる放射源との距離を評価した．評価にはモーメント法を用いた解析ツールであるNEC2を使用した．また，解析に使用したワイヤモデルの妥当性を評価するため，全無響室を用いて3m距離での半波長ダイポールアンテナの測定値とバイログアンテナの測定値の比較を行った．その結果，解析結果と測定結果はほぼ一致し，検討のために作成したワイヤモデルは妥当であること，バイログアンテナでダイポールアンテナと同じレベルを測定するためには，30MHz～1GHzの範囲で75cm程度送信アンテナとの距離を変更する必要があることがわかった．