波動方程式の屈折率の微分項を用いたステップ型数モードファイバのモード間遅延差低減の理論検討

摘要

LPモードを用いたステップ型の数モードファイバではLP_(11)モードが厳密には縮退していないために、理想的なファイバであってもLP_(11)モードに属する異なるモード間で遅延差が発生する。ステップ型ファイバでは、コア·クラッド間の接続条件を与える固有値方程式とマクスウェル方程式から導かれる波動方程式の屈折率の微分項を弱導波路近似により比屈折率差の0次をとることにより、LP_(11)モードの縮退が生じる。本研究では、固有値方程式と波動方程式について比屈折率差の1次までを考慮に入れてLP_(11)モードに縮退するモード間のモード間遅延差を計算する。また，このモード間遅延差は屈折率の微分項を調整することにより相殺可能であることを示す。更に微分項の調整に用いるパラメータがわずかに変化した場合のモード間遅延差の変化も議論する。