耐震設計の実務：リボイラー·タワー接続配管の耐震性能評価－高圧ガス設備におけるリボイラー·タワー·配管を含めた一体解析

摘要

高圧ガス設備等の耐震設計において、重要度の低い（IIまたはIII）配管系の耐震性能評価には簡易法（許容スパン法）を適用できる。 しかし、第1図に示す自立型リボイラーとタワーの接続配管のように配管長が極端に短くフレキシビリティの小さい配管系の場合、リボイラーとタワー夫々の地震時変位から算定される相対変位が大きく、簡易法を適用すると許容値を満足できないことが多い。この場合、リボイラーとタワー間の接続配管に対し、詳細解析法を適用することも可能であるが、やはり、リボイラーとタワー間の相対変位による応力が許容値を越え、耐震設計が困難になることがある。 このような場合、リボイラー、タワーとその接続配管を一体でモデル化し、それぞれの変形挙動の影響を同時に考慮することにより、現実の挙動に即した耐震設計を行うことができる。 ここでは、リボイラー、タワーおよびその接続配管を一体で配管系としてモデル化し、配管系の応力解析プログラムを用いて、詳細解析法により耐震性能評価を行う考え方を紹介する。