法の精神は「総合評価方式」の普及で徐々にあらわれる--「公共工事品確法」が施行され1年半が経過--

摘要

2005年4月1日に施行された「公共工事の品質確保の促進に関する法律（公共工事品確法）」。 従来の価格競争一辺倒の公共調達制度を「価格と品質（技術力）を総合的に評価する競争」に転換することを打ち出した画期的な法律だ。 同法の施行後1年半が経過し，同法の精神は「総合評価方式」の普及という形で徐々にあらわれてきている。あらためて公共工事品確法が制定された背景や法律内各総合評価方式の導入状況などを3回に分けて解説する。 公共工事品確法は，自民党の「公共工事品質確保に関する議員連盟」（古賀誠会長）が中心となって法案を作成し，議員立法で2005年3月30日に制定された。 古賀会長や逢沢一郎議連会長代理，岸田文雄議員ら自民党の有志議員が，議連が発足する2003年6月以前から独白に研究会を組織し，地道に検討を重ね，価格競争叫辺倒の公共調達制度を改革する目的でつくられた。