国交省発注工事を中心に総合評価方式案件が急増（公共工事品確法·中）-国交省，曲折を経て仕組みを徐々に整備

摘要

2005年4月1日に施行された「公共工事の品質確保の促進に関する法律（公共工事品確法）」は，業者選定方法を従来の価格一辺倒の競争から「価格と品質で総合的に評価する競争に転換する」ことを柱にしている。 価格だけの競争は，落札者の決定方法としてほわかりやすい仕組みだが，良質な構造物をっくる業者を選定するのに必ずしも適しているとはいえない。 建設業のような請負業は，受注した後に製品·サービスを提供する。 工場生産され，市場に出回っている製品を調達するのであれば，安い価格を提示した業者を選ぶのが良い。 だが，請負業は違う。 価格だけで業者を選定すると，「安かろう，悪かろう」になりやすい。 そういう意味では，価格と価格以外の要素を評価して落札者を決める「総合評価方式」は，運用さえきちんと行われれば，建設業にとってもっとも適した調達方式となるはずだ。