経済的建築物を実現する有効な一手法/鉄骨造建築物の経済設計--床スラブに軽量コンクリー卜を使用した場合

摘要

ALA協会では，鉄骨造事務所ビルに普通コンクリート使用した場合と軽量コンクリートを使用した場合の構造部分の直接工事費比較を行った結果，以下の知見を得た。①軽量コンクリートを使用した場合，普通コンクリートを使用した場合に比べて，直接工事費で6％の減少となった。②同じく，鉄骨量で8.5％の減少となった。なお，4階建て大型物販店舗（鉄骨造，地上1～3階店舗，4～RF駐車場，延床面積1万9440m~2）についても，同様の試算を行っており，こちらでも，軽量コンクリートを使用した場合，普通コンクリートを使用した場合と比べて，6.5％の直接工事費低減，鉄骨使用量にっても約10％低減可能との結果が得られた。これらの結果については，あくまでもモデル建物においての試算結果である。また，建物の所在地や設計条件等により結果が異なることも考えられる。しかし，軽量コンクリートを使用し，建物自体を軽量化することは，より経済的な建築を実現する有効な一手法と考えられる。また，環境問題が大きく叫ばれる昨今，使用する資材量の面からも軽量コンクリートの使用は環境対策のひとつと言えるのではないだろうか。