維持管理費の低減のために--高速道路におけるコンクリート構造物の耐久性と剥落対策

摘要

コンクリート片の剥落防止は，道路管理者として重要な責務であり，全国の高速道路においては，定期的に点検を実施している。 しかし，鉄筋の腐食などは劣化期に加速的に腐食膨張を起こすため，点検だけでは防ぎきれない場合もあるため，予防保全的な対策もあわせて実施していく必要がある。 また，現在建設中の構造物についてもコンクリート構造物の品質の確保を行い，とくに点検を実施することが困難な重要交差箇所では，建設当初からの剥落防止などについても検討していく必要がある。 中日本高速道路㈱中央研究所（旧日本道路公団試験研究所）は，平成19年4月より，㈱高速道路総合技術研究所として新会社に生まれ変わった。当研究所は，高速道路技術の集約と向上を図り，研究開発と全国ネットワークを預かるNEXCO3会社への技術的支援を行っている。 ここでは高速道路でのコンクリート構造物の耐久性と剥落対策として，建設時の3軸メッシュシートによる剥落防止と非破壊試験による品質管理の例を紹介した。 当研究所では，今後も，コンクリート構造物の耐久性向上を目指すとともに，効果的な剥落防止対策の方法について研究を行い，高速道路事業の質の向上と効率化に努めていく予定である。