摩擦撹拌法によるポーラスアルミニウムの気孔形態に及ぼす発泡保持温度および保持時間の影響

摘要

本研究では，摩擦撹拌法によりアルミニウムプリカーサを作製し，それを発泡させる際の保持温度，保持時間を変化させて，ポーラスアルミニウムを作製した。その結果をもとに，気孔形態に及ぼす保持温度および保持時間の影響に関する検討を行った。得られた結果をまとめると，以下のようになる。（1）保持温度1003K，1033K，1063Kいずれの場合も，保持時間を変化させることによって，80％程度までの気孔率を有するポーラスアルミニウムを作製することができる。（2）保持温度を高くすることによって，気孔率の高いポーラスアルミニウムを作製するための保持時間は短くできる。（3）気孔形態の変化は，気孔率の上昇の勾配が最も大きい1033Kで最も速く，気孔率の上昇が最もかさい1003Kが最も緩やかであった。（4）ポーラスアルミニウムを作製する際の，保持温度に対する保持時間-気孔率-気孔形態の関係を把握しておけば，作製者が望むような気孔率や気孔形態を持っものの作製条件（保持温度，保持時間）を設定することば可能である。今後，気孔形態を定量的に表すパラメータに関する検討を進め，気孔形態の判断をしやすくする必要がある。