超音波振動印加時における溶融アルミニウム合金申の音響キャビテーションーの発生挙動

摘要

アコースティックエミッション（AE）を用いて超音波印加時のAl宿場中の音響キャビテーション発生の有無を検討した。 さらに，Al溶湯中の音響キャビテーション発生に及ぼす添加元素，介在物および溶融Al合金の物性値の影響を検討した。 得られた結果を以下に示す。 （1）AEを用いて超音波印加時の音響キャビテーションの固有周波数を検討した結果，溶融Al合金ではサブハーモニックである5，10kHzおよび260kHzが音響キャビテーションの周波数であることがわかった。 （2）溶融Ai中にMgを添加すると著しく音響キャビテ岬ションが発生したのは，溶融Alの表面張力の低下およびMgの比較的高い蒸気圧によるものであると考えられた。 （3）キャビテーション発生のしきい圧の観点から，音響キャビテーションを発生させるには溶融Alの表面張力を低減させるBi，Mg添加，もしくは，比較的蒸気圧の高いZn，Mg添加が有効であると考えられた。その結果，溶融Alに2．4mass％Mg，0．5mass％Biもしくは8．7mass％Znを添加すると音響キャビテーションが著しく発生した。