水素製造回收のための膜反応器

摘要

膜を利用した気体の透過分離精製の対象として最も多く取り上げられているのは水素である．それは，水素分離に適した膜材料候神があることに加えて，ニーズ面からも強い要求があるからであろう．有機高分子膜法による水素分離は，石油化学プラントのオフガスからの水素回収に既に実用化されている．こうした膜法による連続的かつ選択的分離の延長線上に反応分離すなわち反応進行下で水素を分離除去するために水素分離膜の利用があるが，反応券の中へ膜を組み込むという点で，膜素材に制約が加わる．すなわち，通常利周されるのは耐熱性を有するセラツクス系あるいは金属系材料になる．その中にも，多孔質膜と非多孔質勝とのつに大別され，それらの気体透過性や選択性は大きく．異なる．血痕的に多孔質膜は，透過速度は大き. いが，気体分離性が乏しく，非多孔質膜は?，透過速度は小さいが，気体分椎性に富んでいる以下では，このような異なる特徴を持った2つの気体分離膜について特性と複合化による性能向上，さらには膜反応器へ組み込んだ場合の性能比戟を示すとともに，水素製造反応への応用例について述べる．