絶縁性Si{sub}3N{sub}4セラミックスのワイヤ放電加工－複雑形状加工の試み

摘要

セラミックスへの形状加工は，ダイヤモンドによる研削加工が最も一般的な方法であるが，セラミックス自体が高硬度であるが故に，加工時間や形状精度などで強い制約を受ける．セラミックスの優れた機能を十分に活かすためには，三次元的な形状を容易に，かつ自在に付与する必要がある．絶縁性材料に対する放電加工技術として，表面改質現象を利用した補助電極法が福澤らによって開発された．すでに形彫放電加工およびワイヤ放電加工において絶縁性セラミックスに対していくつかの形状加工例が報告されており，セラミックスに対する加工方法として確立しつつある．本研究では，絶縁性セラミックスの形状創成にワイヤ放電加工を適用することを目的とし，電源を改良した市販のワイヤ放電加工機を用いて絶縁性セラミックスの放電加工を実施し，その加工特性について調査した．また，セラミックスに対する複雑形状加工を試みた．