セラミックス含有溶射材料のスラリー摩耗及びキャビテーション壊食特性

摘要

多量の土砂を含んだ中国黄河流域で使用されているポンプや水車では、液体中の微細な固体粒子が衝突してスラリー摩耗が引き起こされ、機器の性能低下や材料損傷による寿命低下が深刻な問題になっている.一方,流体機械の小型化·高速化によりキヤビテーション気泡崩壊時の衝撃庄によって生じる壊食も問題になっている。 このような環境でポンプなどを使用する場合、母材となる金属に溶射などの施工を行い、材料表面を硬化させて耐損傷性を向上させる方法がとられている。溶射材料は成分を容易に調整することができるため様々な材料が開発されており、一般にWCなどのセラミックスと金属を混合して溶射した材料は、スラリー摩耗に対して優れていると期待されている。 しかし、これらの溶射材料は耐スラリー摩耗性に注目されているが、耐キャビテーション壊食性については十分に解明されていない。材料を選定する際にはスラリー摩耗特性と共にキャビテーション壊食特性を明らかにする必要がある。