インデューサに生じるキャビテーション不安定現象の周方向溝による抑制と高周波数圧力変動の原因に関する考察

摘要

遷音速軸流コンプレッサーでは、ケーシング壁に周方向溝を設け、翼端漏れ渦を制御することによってサージマージンが改善されることが知られている。そこで本研究では、周方向溝をインデューサに適用することにより、キャビテーション不安定現象の防止を試みた。周方向溝の形状は、溝の中に翼端漏れ渦が捕えられ、翼端漏れ渦と隣接翼前縁との干渉が防止されるように、CFDを用いて設計した。周方向溝を設けることで、旋回キャビテーション、キャビテーションサージおよび非対称キャビテーションを完全に抑制することができたが、高周波数の圧力変動が発生した。この原因を明らかにするために、逆流渦と動翼の干渉によって生じる圧力変動を検討した。