第50回日本油化学会進歩賞：柴田 裕史氏

摘要

界面活性剤などに代表される両親媒性分子は，溶液中 における分子集合体の形成，可溶化など様々な特性を有 する。無機材料の合成にこの特性を用いることで，得ら れる無機材料に種々の機能を付与することが可能であ る。例えば，両親媒性分子存在下において調製される代 表的な無機材料に，メソ構造化材料がある。両親媒性分 子が形成する分子集合体を鋳型として調製されるメソ構 造化材料は，分子集合体の構造が反映された規則的な細 孔構造および高い表面積を有することから，触媒，吸着， 分離などの様々な分野から注目されている。一方，シラ ンカップリング剤などを用いた表面修飾も，無機材料の 表面に機能を付与することができる，古典的かつ汎用性の高い手法として知られている。