石化製品、原料高騰で1年半ぶりの採算是正局面～相次いで値上げへ－海外市況上昇·需給タイト化が追い風／ポリオレフィンは正念場－

摘要

石油化学製品が2000年秋以来1年半ぶりに採算是正局面を迎えている。原料ナフサが今年1～3月のkl当たり1万9,000円台から4～6月には2万5,000円近辺まで高騰することが背景で、大半の製品で4月ないし5月出荷分より㎏当たり15～20円幅の値上げが打ち出され、連休を挟んで5月以降にユーザー側との交渉が本格化する。 内需は依然低迷を脱していないものの、米国およびアジアの景気回復で国際市況が上昇していることに加え、定修の集中で需給バランスがタイト化していることから、「価格改定の環境は煮詰まってきた」（大橋光夫石油化学工業協会会長／昭和電工社長）。 特にポリオレフィンについては、2000年以降に打ち出された値上げが悉く不発に終わり収益が悪化の一途を辿っているため、今回の価格是正は事業存亡を賭けた正念場とも言えるものになりそうだ。