ファンデーションの「ツヤ感」の視感評価における反射特性の影響

摘要

人間の肌に関する色彩研究は色再現，画像処理，グラフィックス，化粧品開発を含む多くの分野で最も興味を集める課題の一つである［1］．肌に適用される化粧品ファンデーションには，シミ·毛穴を隠す，立体的に見せる等，肌表面の見えを改善する化粧効果が期待される．最近では，特に「ツヤ」を訴求する表現が見られるようになった．本研究では，素肌や化粧肌の「ツヤ感」の本質的な要因を見出すために，人間の視感効果と物理的な光反射特性の関係を解明することを目的とする．まずファンデーション塗布肌のサンプルを作り，表面反射を計測した．次に，「ツヤ感」の視感評価装置を開発し，照明条件と観察条件を種々変化させて評価者による「ツヤ感」の評価値を得た．最後に，評価データから「ツヤ感」と光反射特性·色彩特性の関係を検討した．