変形関節症や関節リウマチにより関節の機能を失った場合,図1に示すような人工関節に置換して機能を回復する治療(人工関節置換術)が,近年では一般的となってきた。この人工関節の骨組織への固定方法の一つとして,人工関節の骨接着部位にある金属部材表面に多孔質部を設け,孔内への新生骨の侵入に伴うアンカー(投錨)効果により人工関節を骨組織に固定する「セメントレス術式」が急増している。しかし,骨セメントを用いる固定法に比べると,人工関節が骨組織に固定するまでに長い期間を要する。そこで,セメントレス人工関節に骨伝導性を付与し,固定に要する期間を短縮することがQOL(Quality of Life)の観点から望まれている。
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