現代左官事情その32「木造外壁仕上げ（12）」

摘要

従来より木造外壁は柱、間柱の軸組等に直接ラス下地を施す直張り工法と呼ばれものが主流であった。 しかし近年の高気密、高断熱の影響で、室外や室内からの湿気が入り込こみ、壁内結露を起こす事例が多く見られるようになった。 この結露水によって、木材の腐食で耐久性を低下させたり、室内側のせっこうボードに徴を発生させ、住居者にあらたに病気をもたらすなどの社会問題を引き起こす結果となってきた。 このような状態を改善するために壁体内の湿気を外部に放出する手段として『外壁通気工法』という方法が開発されてきた。 この方法は、透湿防水シートで外壁面を覆い、その上に縦胴縁を打ちあらたに外壁面を施すものである。 外気が流れる層をつくることによって、湿気を外部に放出する方法であり、この工法はよって、壁体内結露を少なくし、建物の耐久性が向上し、室内側の不具合をなくす結果となる。 また、雨水の浸入を仮にあったとしても直接、室内に出させる可能性が低く、ラスを止める19mmステープルで、設備配線を損傷させる危険性も回避できる。 これらの観点から最近では通気層工法が一般化されつつある。