医薬品原薬のプロセス研究および生産現場におけるグリーンケミストリーへの取り組み

摘要

はじめに近年，環境問題が人類共通の課題としてクローズアつプされ，京都議定書への批准，廃棄物リサイクルに関うる法整備，PRTR法＊1の施行，土壌汚染対策法の成ぶなどこ　 環境施策が次々と打ち出されており，環境課題に直面する化学企業各社でほ，様々な取り組みが行われている。 このような環境意識の高まりのなかで医薬品企業の環境への取l）組みは，その製品が多品種，高付加価僧の少量生産であること，製品ライフサイクルが短いことなどから，一般化単品を製造する企業と比較して遅れていた。 その一方，医薬品企業は，人々の健康で豊かな葛らしに貢献することを目的とする企業である。 従って，医薬品企業各社にとって企業倫理としての環境対策は極めて重要な位置付けにあり，この遅れを取り戻すべく登極的に環境問題に対する取り組みが進められている。 　 特に医薬品原薬（製剤化前の原未）を合成するプロセス化学においては，近年，グリーンケミストリーへの閣心が高まり，従来からの廃棄物の処理技術の開発に加え，環境に優しく，廃棄物の少ない製造プロセスの構塾が積極的に進められている。