「高選択的連続ハロゲン金属交換反応を特徴とする SGLT2阻害剤トホクリフロジンの効率的合成法の確立」

摘要

トホグリフロジンは，選択的ナトリウムーグルコース共輸送担体2（SGLT2）阻害剤で，腎尿細管におけるグル コースの再吸収を阻害することにより，血中の過剰なグルコースを尿へ排出させ血糖を低下させる2型糖尿病治 療薬である。本剤は，インスリンを介さない新しい作用機序を有しており，構造的にも独自のスピロ環構造を有 し，高いSGLT2選択性を示す。本研究は，トホグリフロジンの効率的工業的合成法に関するものである。受賞者 らは，大量製造可能で，高い全収率，製造操作の簡便性，低製造コストの実現を目指して鋭意研究を行った結果，高選択的連続ハロゲン金属交換反応を特徴とする極めて効率的な合成法を確立した。以下にその概要を述べる。