下水処理施設向け散気装置用ゴム製メンプレンの開発

摘要

下水処理施設の役割は，生活排水や工業排水などの汚水を浄化することにより水質を保全することにある。 浄化方法は，主に微生物による汚染物質の分解·吸着作用を利用した活性汚泥法が用いられている。 所定の水処理能力を得るためには処理水中の微生物の活動を活性化させる必要があり，それには気泡状の空気（酸素）を処理水中に送りこむエアレーション方式が採用されている。この工程に要する電力は処理施設の消費電力の大半を占めており，そのほとんどが送風用プロアによる消費である。 したがって，消費電力低減すなわち下水処理コスト低減のためにはエアレーションの省エネ化が重要であり，それは効率的に酸素を供給できる散気装置（気泡状の空気を水中に放出する装置）の開発にはがならない。 ダイセン·メンブレン·システムズ殿と当社は，従来から普及している多孔質樹脂製散気板（ペレット状の樹脂と接着剤を焼き固めて作られる，板状の散気装置用部品）からの置き換えを可能とし，散気装置の主要性能である酸素移動効率（供給空気量に対して水に溶解する酸素量の割合）が多孔質樹脂製散気板よりも高い散気装置用ゴム製メンブレンを開発した。