オーガナイズドセッション：燃料電池と熱物性－その現状と将来

摘要

このセッションは基本的には実行委員会が企画したものなので、報告としてはオルガナイザーというよりも座長を務めたものとして行いたい。燃料電池は、化学エネルギーから直接電気エネルギーを取り出そうという欲張りな装置であるため、正常に動作している場合でも、物質（燃料、空気）の流れ、と電気（イオン、電子）の流れおよび熱の流れが生じている。対応する化学ポテンシャル勾配、電場、温度勾配があるので、望ましくない現象も起こる。 反応と拡散が基本現象なので、電気化学的性質に加え、熱物性が重要な役割を演じている。熱物性ハンドブックの改訂版には燃料電池の項目が入っているが、残念ながら未だ発刊していない。 本セッションは招待講演2件と一般講演2件から構成され、4会場のなかでは最も小さい会場であったが、終始会場は一杯であり、活発な質疑がなされた。 対象としている燃料電池が、低温固体高分子形が3件、高温固体酸化物形1件となり、開発状況の温度差を反映している。