建造物探査用超音波音速CTの開発－小型大出力振動子の開発

摘要

今回紹介するのは、1991年から1996年までの5年間にわたる文部省科学研究費補助金重点領域研究「遺跡探査」、及び2001年から2004 年にわたる日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究B「展開研究」の補助金を用いて行われた研究計画の概要である。 わが国日本には、数多くの文化財がある。 世界有数の地震国である上に、四季の変化に富んでいるという環境は文化財だけでなく、多くの建造物にとって恵まれた条件ではない。 このため、建造物に用いられている構造部村内の腐朽や欠陥等を知る事が出来れば、重要文化財の保護及び補修、崩落事故や建造物の倒壊等の防止、それらに関連した人命保護等の大きな手助けとなる。 その為、建造物の構造部村内部を対象とし、これら対象を非破壊的に可視化するための超音波音速CTシステムの開発を目的としている。 第1図にそのシステムの全体を示す。本研究ではシステムの要ともいえる強力音源の開発について述べる事とする。