溶液環境における原子間力顕微鏡による表面計測

摘要

周波数変調検出法を用いたダイナミックモード原子間力顕微鏡（FM－AFM：Frequency Modulation Atomic Force Microscopy）は近年著しい進展を遂げており，超高真空中における非破壊での高分解能観察技術は，試料面が原子的平坦性をもつ場合，完全に確立されていると言って過言でない。現在では，このFM－AFM技術を基盤とする，電荷分布，表面電位などを原子·分子スケールの分解能で測定することが可能なケルビンプローブ原子間力顕微鏡（KFM：Kelvin Probe Force Microscopy）や，原子識別，原子結合状態計測を可能とするフォースマッピング法（Force Mapping Method）などの分析手法も広まりつつある。