冬場原油相場形成でLPガスCPは1月も続騰か

摘要

サウジアラムコは11月28日，輸入関係各社に対してLPガスの12月CPを「プロパン480ドル，ブタン495ドル」とする旨，通知してきた。 前月に比べてプロパンが301レ，ブタンが25ドルのそれぞれ上げとなった。 CPの値上げは3カ月ぶりのこと。 需要期入りしてから10月，11月と連続下げだったが，さすがに需要ピーク期入りを目前に反騰となった。 また，11月CPでは20ドルと拡大していた「プロパン·ブタン格差」は，12月は15ドルの「プロパン安·ブタン高」に縮小した。 11月のエネルギー市場も乱高下した。しかし，これまでと違って底値を探る展開に終始。 OPECの減産が進み，冬場に向けての需要規模の拡大が始まり，それまでの過剰な在庫が整理されてくるとともに上げに向かう傾向を顕著にし始めた。 これに拍車をかけたのが寒気団の南下予報。米国と極東の気温が大幅に低下する。12月CPが決定されたあとのことだが，原油·天然ガス·LPガスといずれもがもう一段の急騰となった。 WTIはボトム11月17日の55ドル／バーレル台が63ドル台となったし，天然ガスも9ドル／百万Btuに急接近した。 極東LPガスCFR市況は，なんとプロパン550ドル台後半，ブタン570ドル台半ばとなったのだ。 この急騰が数日早ければ，12月CPは500ドルとなっていたかもしれない。やはり今冬も600ドルの声を聞くのだろうか。