原発20～22％，再エネ22～24％2030年度の電源構成案を了承

摘要

経済産業省は6月1日，総合資源エネルギー調査会長期エネルギー需給見通し小委員会（委員長·坂根正弘小松製作所相談役）の第10国会合を開催し，2030年度の電源構成（エネルギーミックス）の報告書案を大筋で7承した。第9国会合で示した「長期エネルギー需給見通し」たたき台（第8国会合の骨子がベース）に加筆·修正したもので，数値についてはこれと変更なし。原子力発電の比率は東日本大震災前の約29％から20～22％へ減らし，水力，地熱，バイオマスでこれを代替，天候次第で出力が変動する太陽光と風力の伸びは抑える。再生可能エネルギー全体では22～24％とし，現状から倍増を目指すが，震災後大幅に上昇した電力料金は，再エネ推進によるコスト増も考慮して「現状より引き下げる」目標にとどめた。化石燃料はコスト高のLNGを27％程度，CO2対策が必要な石炭を26％程度に減らし，セキュリティが不安な石油はわずか3％に抑制する。これらにより，2030年度のエネルギー自給率は24％台に回復，水力，石炭，原子力によるベースロード電源は56％程度まで上昇する見通しだ。長期エネルギー需給見通しは3年ごとに検討する国のエネルギー基本計画に合わせて見直す。同報告書案は文言を一部修正したあと最終取りまとめ案とし，パブリックコメントにかけ，7月にも政府案として正式決定する。