中東CPは終わり世界標準CPへ

摘要

サウジアラムコ社は5月31日，わが国の輸入関係各社に対して6月のLPガスCPをプロパン405ドル，ブタン440ドル／トンとした旨，通知してきた。前月に比べてプロパンが60ドル下げ，ブタンが35ドル下げとなった。5月の原油·LPガス市場は上げ·下げ異なる方向に動いた。月間いろいろ変動はあったが，月間平均での価格指標をまずみておくと次のとおりだ。WTIは前月比4.70ドル上げの59.37ドル／バーレル，北海ブレントが同4.36ドル上げの65.52ドル，ドバイ原油が岡5.01ドル上げの63.56ドルなどといずれも大幅に上昇した。この原油高騰の動きを反映してナフサ市況も大幅な上げとなった。5月のアラビア湾FOB市況は前月比26.34ドル上げの538.99ドル／トン（60.02ドル／バーレル）となった。しかし，原油高騰の影響を受けながらもやはりLPガスは不需要期。加えて米国からの豊富な供給。この2つの要因が相まって各市場とも下落した。月初にプロパン440ドル，ブタン460ドルだった中東FOB先物市況は，最終週にはそれぞれ415ドル，450ドルとなった。取引は少なく市場は閑散としていた。極東CFR市場もエンドユーザーの買いが乏しく，ヨーロッパのトレーダーの買い戻しが散見されるにとどまった。月初にはプロパンが510ドル前後だったが，最終週には500ドルを大きく割り込んだ。ブタンはナフサが上昇したことから，石油化学からの買いが時折入り，月初の520ドル台の概ね横ばい推移となった。大幅な軟化となったのがUSガルフ市場。月初には270ドル台だったプロパンは最終週には170ドルまで下げる局面もあった。ブタンも300ドルから220ドル台へと大幅下落した。NGLの生産量が310万バーレル／日の高水準生産を続け，分留装置も高稼働。生産されたプロパンはヒューストンやその近郊の新規ターミナルから170万トン／月ペースでアジアへ，北西ヨーロッパへと輸出された。極めて潤沢を供給が世界のLPガス市場を潤した。