ドバイとミナスに90ドル割れを期待円安一服で下期のC重油は大幅安

摘要

石油製品の国内価格を決める原油相場と為替相場は，本誌の9月20日号で紹介したように，大きな転換点を迎えている。あれから1カ月過ぎたが，いずれもリーマン·ショック前の水準へ向かっているように映る。問題は今後の動向である。早めに動き出し銀行間相場で一時110円／ドルに触れた為替相場は，早くも米ドル高·円安のスピードにブレーキがかけられ，調整局面を迎えている。しかし，主要な指標原油が揃って9月に100ドル／バーレルを下回った原油相場は，10月に入っても反発の動きはみられない。むしろ，10月はドバイとミナスに90ドル割れが予想される状況だ。こうなってくると，原油にはリーマン·ショック前の60～80ドルまで期待したくなってくる。マスメディアは最近，円安デメリットを強調するようになった。日本は輸入依存が高いため，円安によって値上がりした輸入物資が，賃金上昇の実感の伴わない家計を一層圧迫するというもの。その値上がりには，必ずガソリンという石油製品が登場する。円安に目を奪われ，コストの大部分を占める原油価格の下落を見落としているに違いない。意識的に見落としているようにも映り，極めて遺憾に思う。ガソリンや軽油，灯油などは11月も値下がりするはずだ。四半期単位に価格を決めるC重油の場合は，9～11月のコスト諸元から今期10～12月分の価格が算出され，来期の1～3月分には12～2月のコストが反映する。10月14日の時点で想定したコストから下期の一般向けC重油価格を展望すると，HSCのS分3.0％は10～12月分が68,900円／kl，1～3月分が66,500円に，LSCの0.3％HPPは10～12月分が76,900円／kl，1～3月分が75,200円になる。いずれも，7～9月分決定価格の74,150円，82,650円から大幅に下がる。果たして…