今度はオバマ発言による原油急騰がLPガス9月CPを続騰させた

摘要

サウジアラムコ社は29日，わが国の関係輸入各社に対して9月のLPガスCPを「プロパン850ドル，ブタン875ドル」とした旨，通知してきた。前月比プロパンが30ドル上げ，ブタンか同55ドル上げとなった。3月のP·Bともに895ドル以来の高値となった。8月CPは，米国FRBのバーナンキ議長の金融緩和縮小·終了を巡っての揺れる発言が7月の国際市場で原油（WTI）を急騰させ，これがCP上げにつながったが，9月CPもまたCP決定最終段階でのオバマ大統領の「シリア軍事介入宣言」が原油市況の2年4ヵ月ぶりの高値を呼び，CPの急騰を招いた。28日のWTI期近先物はオバマ発言を受けて一気に上昇，110.10ドル／バーレルとなった。時間外取引では112.42ドルにも跳ね上がった。そりゃあそうだ。米軍がシリアを攻撃する。シリアが対抗するばかりではない。イランもレバノンに陣取るシーア派軍事組織ヒズボラもシリア政府に加勢する。イランはシリア反政府軍を支援するカタールを攻撃するかもしれない。それよりもなによりもイスラエルが機をみてイラン核施設爆撃に出るかもしれない。第5次中東戦争だ。そうでなくともエジプトの政情波乱でスエズ運河·スメドパイプラインの閉鎖懸念で原油が高くなっているのに，このオバマの軽率発言が一気に原油を急騰させた。その後，英国，トイツ，イタリアなど親米国が追随しないばかりか，米国議会さえも慎重論を唱え，米国民も軍事介入反対が多数を占めることがわかるに及び，オバマは苦境に立たされている。ここはひとつ，国連調査団の報告を待つことが求められる。なぜなら，前回の化学兵器使用の際の国連調査では「反政府軍が化学兵器を使用した可能性も否定できない」と報告されているのだ。ともあれ原油は急騰し，この影響でLPガス国際市況も上げた。モントベルヴューのプロパンは610ドル！だ。