やっと訪れたLPガス「不需要期」CPは原油のほぼ100％に下落

摘要

サウジアラムコ社は6月30日，わが国の輸入関係各社に対して，LPガスの7月CPをプロパン615ドル，ブタン625ドルとした旨，通知してきた。プロパンは前月比55ドル下げ，ブタンは同45ドル下げとなった。これは，6月CPの対前月比下げ幅と同額であり，この2カ月でプロパンは110ドル，ブタンは90ドル下げたこととなる。この2カ月でようやく「不需要期」価格が実現したといえようか。7月CPは輸入元売各社の予測を下回った。想定外の下げ幅だったということ。概ね630～640ドルが予測値だった。4月，5月と春のCPを高値に据え置いた最大の要因は，北東アジアの異常気象とそれに伴う想定外の需要の伸びに加えて，日本の著しいまでの低在庫及び中国の製油所定修とトラブルだったことは前回も指摘した。この3つの下げ阻害要因が取り除かれた結果，CPは下げた。対原油価格位置も100％に近いところまで下げた。昨年は4月にほぼこの位置に収まり，その後5カ月連続で100％をかなり下回った。今年は下げが遅かったため，100％割れが続く前に下期の在庫積み増しが始まる可能性もある。ただ一方では，中東産ガス国の供給量が更に増加していくため，需給双方のせめぎ合いがみどころではある。それにしても原油市況が変動し落ち着かない。世界の景気回復見通しが大きく後退してきて，WTIは78ドル／バーレルから72ドルへとまた低下してきた。今後のCP動向にも大きな影響を与えそうである。