奇策に打って出た石油資源開発仙台～いわき間に海底ガスパイプ計画

摘要

石油資源開発はこのほど宮城県仙台市沿岸と福島県いわき市沿岸を結ぶ海底ガスパイプライン建設計画を発表したが，サハリン天然ガス導入も視野に入れた壮大な目論見として大きな注目を集めている。 同社は帝国石油と並んで，わが国原油·天然ガスの探鉱会社として自力でエネルギーの生産に取り組んでおり，最近は北海道の勇払ガス田を開発したことで有名。 また，サハリンⅠプロジェクトに参画し，わが国など近隣国に対してパイプラインによる天然ガス輸出を目指してもいる。 仙台～いわき間の海底ガスパイプライン建設計画は，こうした活発な活動を行っている同社の意表を突いたともいえる発表で関係者を驚かせたが，これなどはまだ序の口で「将来的にはサハリン天然ガスとも連携したい」（同社）と，同プロジェクトを拒否しているわが国電力，都市ガス各社を飛び越えて自らサハリンⅠを稼働させかねない勢いなのだ。もちろん，サハリンⅠからの天然ガス輸入は同社の工業用需要開拓だけでは難しく，結局は電力·都市ガス各社の引取が前提になるだろうが，この数年の原油価格高騰は同社にとってまたとない追い風。 平成18年3月期決算は原油販売量増加で大幅な増収増益となったし，エネルギー価格高騰で設備投資はこれまで以上にやり易くなっている。 また，国内の重油価格が上がることで，天然ガスへの燃転はこれまで以上に進む見込み。 勇払ガス田開発で一躍名を馳せた同社は，今後一層の手業拡大を目指している。