変性セルロースナノファイバーの熱可塑性樹脂強化フィラーとしての活用

摘要

熱可塑性ポリマーの強化フィラーには様々な形態があり，その目的に応じて使い分けされている。アスペクト比の高い繊維形状のフィラーは，材料に高弾性，高強度を付与する。代表的なものがガラス繊維（GF），炭素繊維（CF）であり，何れも繊維含有率を上げる，連続繊維マットをノ削、るなどにより高弾肘ヒ，高強度化とともに高じん性化を達成することができる。板状フィラーとして代表的なものはタルクであり，ポリプロピレン（PP）に汎用に添加され，これによるPPの結晶性変化とタルク自身による補強による高弾性化とコストダウンを図ることができる。また不定形フィラーとしては代表的なものに重炭酸カルシウムがあり，コストダウンや発泡核剤効果などが得られる。これらは樹脂フィラーとして古くから用いられ，現在も多くの産業分野に貢献している材料である。しかしはとんどが数ミクロン～数十ミクロンのサイズであり，大きな補強効果を得ようとした場合は，多くの添加量が必要となり，複合材料は高比重化する。